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ビジネスの世界で弱者(中小企業)が強者(大企業)に打ち勝つための戦略として知られている“ランチェスター戦略”。
その中でも、特に基本と言われているのが「ドミナント戦略」です。
今回は、数々の企業が実践して成功しているドミナント戦略を解説していきます。リソースが少ない中小企業でも実践しやすい戦略なので、ぜひ活かしてみてください。
「ドミナント戦略」とは?
ドミナント(dominant)は、「支配的な」「優勢な」という意味。つまり、ビジネスにおいて“支配的な、優勢なエリアをつくる”ための方法が、ドミナント戦略の本質です。
その方法としては、まず自社が持っている商品・サービスなどのリソースを分散せず、特定の商圏・エリアに対して集中的に展開していきます。
こうすることで、バラバラに出店するよりもそのエリアにおける顧客の独占率を高めることができ、結果的に売上の効率も上がるのです。
これらの戦略を実践している有名な例としては、大人気のブランドスニーカーから、ビジネスシューズまで取り扱う靴総合販売店「ABCマート」が挙げられます。
「ABCマート」は、上野4店舗、渋谷に5店舗、新宿に7店舗など、狭い地域に対して集中的に出店をしている傾向があります。
これにはしっかりと理由があり、顧客の囲い込みと店舗同士の協力という点で、競合他社にはない強みを出すことができ、市場で強い立場を作っているのです。
狭い地域にたくさんの店舗を出店することで、その地域ではただふらふらと歩いているだけでも、「ABCマート」の店舗を見かけるようになります。
これによって単純に顧客になり得る人との接点が店舗の数に比例して増えるため、元々お店を訪れようと思っていた顧客だけではなく、“なんとなく入った”という顧客の取りこぼしを限りなくゼロにすることができます。
また、靴を求めて来店した顧客が、万が一「サイズがない」という問題に直面した場合、近くに他店舗があることで、在庫状況を照会し、それに合わせた対応を取ることができます。
これによって、在庫をストックするスペースも膨大な商品を一つの店舗で管理するより効率がよく、顧客のニーズに柔軟に対応できるという強みを打ち出しているのです。
このように一つの商圏・エリアに対してリソースを集中することで、顧客との接点を高め、エリアでのニーズを支配していくのが、ドミナント戦略の真骨頂になります。
「ドミナント戦略」を仕掛ける手順
では、実際にドミナント戦略を仕掛ける場合には、どんな手順を踏んでいけばいいのでしょうか?
ドミナント戦略の手順としては、以下2点になります。
- エリア(商圏)の選定
- リソースを一点集中させる
ここでは、飲食店を例にしてそれぞれ順番に解説していきますので、参考にしてください。
エリア(商圏)を選定
まずは、ドミナント戦略を実施していくために、エリア(商圏)を選定しましょう。
ドミナント戦略では、特にこのエリア(商圏)選定が重要であり、これによって効果率や売上が左右されてしまいます。
エリア(商圏)を選定する際は以下のような点を確認してください。
1.ニーズの有無の確認
その地域に住んでいる、生活している顧客層がどんな世代・属性の人物かを分析してください。
当たり前ですが、ニーズのない場所にお店を出店しても売上は上がらないので、しっかりと確認する必要があります。
学生街⇒リーズナブルで量の多い定食
主婦⇒ワンコインで食べられるおしゃれなカフェレストラン など
2.多店舗を同地域に出店することができる
また、同地域に多数の店舗を出店できる環境でないと、ドミナント戦略を実施することができません。お店を出店できる土地には限りがあり、自身が出店したいからと言って他の土地を奪い取ることは難しいです。
そのため、無理なく多店舗を出店できるような環境がある、というのが必須の条件となります。
リソースを一点集中させる
エリア(商圏)の選定をし、準備ができたらリソースを一点集中させていきましょう。
どんどんと店舗を展開していくことで、そこで生活している人からの認知度も上がり、ゆくゆくは自社だけでニーズを満たしていくような環境を整えていきます。
同エリアに多店舗があることを活かし、認知度・市場の占有率を上げていくことがドミナント戦略では重要です。
- 空いている店舗への案内
- 複数店舗を訪れたら割引などのキャンペーン
など、多店舗であることに意味を持たせることで、より市場の占有を進めることができます。
「ドミナント戦略」のメリット
ドミナント戦略のメリットは、大きく分けて以下の3つです。
- リサーチのポイントを絞り込める
- 知名度、認知度が上がる
- エリアを独占できる
市場を“支配”するためにも重要なメリットとなっているので、十分活かせるように意識してください。
リサーチのポイントを絞り込める
ドミナント戦略では、リソースが一点に集中しているため、そのエリア(商圏)に関するリサーチをすれば良く、手間が少ないです。
それによってできた余力は、さらなるドミナント戦略のエリア選定などにも使うことができるので、効率的にコストを使うことができます。
知名度、認知度が上がる
ドミナント戦略によってリソースを一点に集中することで、そのエリア(商圏)での認知度を上げることができます。それにより、見込み顧客の増加、集客率アップを半自動的に図ることも可能です。
ビジネスにおいて、顧客の意識にのぼるということはとても重要な意味を持ちます。
集中したリソースを数多く視認することで、顧客の中でより印象に残りやすく、興味を持ちやすくなるため、大きな告知を行わず顧客に認識されることも可能です。
エリアを独占できる
ドミナント戦略を実施することで、ゆくゆくはエリアでのニーズを自社のみで独占することも可能です。
一転に集中したリソースを活かした戦略は、ドミナント戦略ならではの強みになります。
見込み顧客の取りこぼしも少なくなるため、認知度・人気度の上昇によってどんどんと市場を占有できる可能性があります。
まとめ
リソースを集中させることで市場を支配するドミナント戦略は、ビジネスにおいて基本的、かつ有効な戦略になります。
活用することで、中小企業が大企業に打ち勝ち、ブランドとして展開していくこともできるので、スタートアップ時にはぜひ実施してみてください。
さらに詳しいマーケティング戦略を学びたい場合は、日刊メルマガに登録してみてください。
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