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2006年からニッチな趣味をテーマにしたオンライン講座で起業。マーケティングが趣味で、2017年からビジネスをお伝えする情報発信を開始。リストマーケティングを活用した息の長いビジネスモデルを構築するのが得意。⇒詳しいプロフィールはこちら

今回はマーケティングの基礎である『STP分析』の重要性や目的、手順、そして事例を紹介します。

STP分析は商品やサービスの内容・価格を決めていく上で重要なフレームワークで、マーケティングプロセスの中でも基本戦略として知られています。

具体的な分析方法を解説していきますので、ご自身のビジネスに取り入れてみてください。

STP分析とは?

STP分析とは、マーケティング論で知られているフィリップ・コトラーが提唱したフレームワークで、

  • Segmentation(セグメンテーション)
  • Targeting(ターゲティング)
  • Positioning(ポジショニング)

上記3つの頭文字をとって名付けられた分析手法です。

STP分析では、セグメンテーションで市場を分類し、ターゲティングで狙うべき市場を決定し、ポジショニングで競合他社との位置関係を明確していきます。

マーケティングにおけるSTP分析の重要性

インターネットやSNSの普及で様々な媒体からの情報収集が可能になり、コミュニケーションのグローバル化も進みました。

働き方やライフスタイルの変化により顧客ひとりひとりの持つ価値観も多様化し、従来の大衆向けの商品やサービスでは「顧客ニーズ」に応えることが難しい状況になっています。

そこで、市場細分化、市場の選定や顧客の明確化を行なった上で、適切な顧客に自社の商品やサービスを提供する「STP分析」の必要性が高まっています。

STP分析の目的

STP分析の目的は、変化の大きい市場や多様化した顧客のニーズ、新たな競合など、様々な要因により変化するビジネスにおいて、どのように展開していけば良いのかを具体的に把握することです。

ビジネスにおける競争は常に変化しているので、定期的にSTP分析を行うことによって「自社が優位に戦える方法」を探し出す必要があるのです。

STP分析の手順

先述した通り、STP分析は以下の手順で行います。

  1. Segmentation(セグメンテーション)
  2. Targeting(ターゲティング)
  3. Positioning(ポジショニング)

では、ここから1つずつ詳しく解説しましょう。

1 Segmentation(セグメンテーション)

マーケティングにおけるセグメンテーションとは、ターゲットを決めるために、市場や顧客を一定のセグメント(似たようなニーズを持つ層)に分類する方法を指しています。

ターゲットを設定する上で重要な前提である、自社の商品やサービスを購入してくれる可能性が高い「セグメント」の発見を目的に分類します。

ここでは「人口動態変数」「地理的変数」「心理的変数」「行動的変数」の4つを活用するのが一般的です。

具体的には以下の通りです。

人口動態変数

年齢、性別、家族構成、職業、収入、学歴などを元に、「顧客となる人物像」を具体化していくための要素・指標

地理変数学

国、都道府県、地域などの地理などの情報を基に市場細分化を行ない、対象となる地域の規模や人口、発展度合い、気候、文化、宗教といった地域特性を明確化にするための要素・指標

心理的変数

人間の心理や感性、ライフスタイル、価値観、を基に市場を細分化するための要素・指標

行動的変数

商品やサービスに対する人間の購買状況、購買プロセス、買い替えのタイミング、使用用途など、一連の顧客行動を具体化するための要素・指標

このような要素・指標を用いることで、自社の商品やサービスに興味がある層を絞り込んでいきます。

2 Targeting(ターゲティング)

Segmentation(セグメンテーション) で市場や顧客を分類したら、どの市場セグメントに集中するかを決定する「Targeting(ターゲティング)」を行います。

セグメンテーションを行うことでターゲットが導かれるので、自社のコンセプトやブランドイメージ、価格帯にあった消費者セグメントを選びます。

ターゲットを決める指標には、「市場規模」「競合状況」「成長性」「波及効果」「到達可能性」「測定可能性」の6つを用いるとスムーズに進められます。

市場規模

充分な市場規模か?

競合状況

強い競合が存在する or しないのか?

成長性

市場の成長レベルはどの段階なのか?これからニーズが増えそうなのか?

波及効果

口コミ波及の発信源になってくれるのか、影響力はどの程度か?

到達可能性

メディアを通じて到達可能なのか?到達までのプロセスは容易か?

測定可能性

アクションに対する効果が測定可能か?

3 Positioning(ポジショニング)

Positioning(ポジショニング)では、ターゲット市場における自社(の商品やサービス)の立ち位置を明確にし、競合の商品やサービスを見て比較する軸を持つことが大切です。

自社の商品やサービスにおける「競合との差別化ポイント」を顧客に認識してもらうことにより、商品やサービスの価値とイメージを向上させる目的を持っています。

そのため顧客が商品やサービスを使用したときに、それに対してどのような感情を抱き、購入につながるかを重視するのです。

ポジショニングでは、一般的に「ポジショニングマップ」を用いて自社の商品やサービスの立ち位置を明確にしていきます。

これは特定の商品やサービスの特徴を明確化するために、競合も含めた「商品やサービス」のポジションニングを2軸のマトリックスで可視化したものです。

ポジショニングの手順は以下の通りです。

  1. 対象となる商品やサービスの特徴を表す属性から軸を決める
  2. 他社の「商品やサービス」のポジションをマッピングする
  3. 自社の立ち位置を検討する

ポジショニングマップの軸には、購買決定要因の高い2つの軸を使います。例えば「価格」と「質」などが一般的ですが、どの変数を使えば他社よりも有利になるのかが大切です。

STP分析の事例

STP分析を利用した「建デポプロ」の事例をご紹介します。

「建デポプロ」は工務店や職人向けに資材と道具を販売するプロ専用のお店で、国内最大手の建材・住宅設備機器を扱う「LIXILグループ」が運営しています。

以下、具体的な手順をお伝えしていきます。

1 Segmentation(セグメンテーション)

ホームセンター運営の経験(30年以上)から、その取扱商品を建築資材や道具などを扱うお店に細分化しました。

2 Targeting(ターゲティング)

建築資材と道具を必要とするセグメントに絞ったので、プロの建築業界の方をターゲットとしました。

3 Positioning(ポジショニング)

早朝6時半に開店することで「朝から資材を購入できるお店」「必要なときに購入できるお店(現場に行く前に寄れる)」として認識され、会員制を導入することにより専門性を高めました。

現在も「建築資材と道具をいつでも揃えられるお店」というポジショニングを確立しています。

まとめ

繰り返しますが、顧客ひとりひとりの持つ価値観の多様化により「STP分析」の重要性が高まっています。

  1. Segmentation(セグメンテーション)で市場を分類する
  2. Targeting(ターゲティング)でターゲットとする市場を決定する
  3. Positioning(ポジショニング)で自社の立ち位置を明確にする

STP分析の手順は、上記の手順で行います。

自社の商品やサービスを最も必要とするセグメントを見つけ出すことで、ニーズにマッチした見込み客へ効率よくアプローチできます。

また、業界内における自社の商品やサービスの独自性と差別化のポイントを明確にすることで、市場でのアドバンテージを築くことができるのです。

マーケティングや分析について、さらに具体的な方法をメルマガで随時公開していますので、ぜひお読みいただければと思います。

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